2026年 7月例会 金閣炎上

劇団青年座「金閣炎上」メインビジュアル:岡山市民劇場 2026年 7月例会

劇団青年座
金閣炎上

作 :水上 勉
演出:宮田慶子

公演スケジュール

岡山芸術創造劇場ハレノワ 中劇場
例会日
7/10 18:45
7/11 14:00
7/12 14:00
7/13 13:00
7/14 12:30
西大寺市民劇場例会
西大寺公民館大ホール
例会日
7/17 18:45
7/18 13:00
上演時間:2時間45分(予定)

魅力に迫る会にお迎えします♪

2026年 7月例会 「金閣炎上」魅力に迫る会

「金閣炎上」の魅力に迫る会に金閣寺住職妙海:役を演じる 横堀 悦夫さんをお迎えします!…続きを読む


キャスト・スタッフ

Cast

  • 松田周
    養賢
  • 魏涼子
    志満子
  • 石井淳
    道源、小田
  • 横堀悦夫
    妙海
  • 小豆畑雅一
    谷井
  • 澁谷凜音
    三崎、巡査、漁民
  • 市橋恵
    輝子、一瀬、漁民
  • 須賀田敬右
    磯市、陸悠、学生、漁民
  • 賀久泰嗣
    嘉助、山崎、学生、漁民
  • 伊東潤
    普賢(六仏)、古物屋、漁民
  • 岡本大樹
    文殊(六仏)、若井、学生、漁民
  • 大橋和史
    勢至(六仏)、浜田、学生、漁民
  • 角田萌果
    弥勒(六仏)、安井、看護婦、漁民
  • 長友麻里乃
    観音(六仏)、ひき手婆の声、漁民
  • 桜木信介
    達磨(六仏)、善伍、古本屋、大量

水上 勉

演出
宮田慶子

Staff

美術 阿部一郎
照明 中川隆一
音楽 和田薫
音響 長野朋美
衣裳 半田悦子
舞台監督 西村珠生
製作 紫雲幸一
川上英四郎

あらすじ

原作者、水上勉が描いた壮絶な人間ドラマを舞台化!「昭和25年、金閣寺は紅蓮の炎に包まれた」

劇団青年座「金閣炎上」舞台写真:岡山市民劇場 2026年 7月例会

大正14年、若狭湾に面した寒村の成生(なりう)に若い女がやって来た。西徳寺の住職道源のもとに嫁入りする志満子である。
辺境の寺で結核に病む道源と結婚生活が始まった。
昭和4年、養賢が生まれる。しかし成長するにつれて養賢には重度の吃音症が現れる。
「貧寺の子が生き残るためには僧侶になるしかない」そう考えた父は養賢を金閣寺に入れたいと強く願う。
昭和18年、父の死から1年後、養賢は金閣寺で得度式をあげ見習い僧となる。
しかし父から受け継いだ肺病症状が現れ、母の待つ故郷で養生することになった。
昭和20年、戦争は終わった。成生から京都に戻ってきた養賢が見たものは…。


かいせつ

『金閣炎上』は見習い僧の林養賢が鹿苑寺舎利殿(通称:金閣)を放火した事件を題材にしています。
青年座の創作活動の礎を築いた作者・水上勉氏が養賢と幼少期の境遇が似ていたことから共感を抱き、自身の体験を重ね合わせて構想から20年をかけ1977年に小説を発表。青年座が作者本人に脚本を依頼し、1982年に上演しました。そして初演から40年経った2023年、宮田慶子演出のもと新たな『金閣炎上』が誕生しました。
寒村の貧しい寺に生まれ、吃音症で病気がちだった林養賢。
この青年僧が修行先の金閣になぜ火を放ったのか。水上氏は、この放火を反道徳的な思想から生まれた無軌道な若者による犯罪としてではなく、拝金主義がはびこる当時の仏教界への痛烈な批判として捉えています。青年座が新劇の真髄に迫り、劇団の総合力でつくりあげた『金閣炎上』。

中国ブロックの皆さまには、演劇ならではの大胆な仕掛けを用いて描写した養賢の心情変化を堪能していただきたいと思っております。


劇団青年座「金閣炎上」フライヤー表:岡山市民劇場 2026年 7月例会
劇団青年座「金閣炎上」フライヤー裏:岡山市民劇場 2026年 7月例会

えんげきの友より

金閣寺(鹿菀寺)とは

舎利殿「金閣」が有名なため、「金閣寺」と呼ばれますが、正式名称は「鹿苑寺」

室町幕府三代将軍の足利義満の別荘として「北山第」が造営。1398年にその舎利殿・金閣が完成し、北山第は「北山文化」の発展の舞台になりました。義満の死後、遺言により禅院の鹿苑寺になりました。

明治時代に経済的基盤を失った鹿苑寺は、拝観料で収入を確保するようになりました。1929年には国宝に指定。

1950年、金閣は放火により全焼し、国宝が失われましたが、1955年、明治時代の解体修理時の記録をもとに復元されました。

1987年、舎利殿の金箔が張り替えられ、1994年には世界文化遺産に認定されました。


水上勉と『金閣炎上』

水上みずかみつとむ
(1919-2004)
戦後日本の文壇を代表する作家の一人である水上勉は、福井の貧しい農村に5人兄弟の次男として生まれた。9歳で京都の禅寺に小僧として出され、10代で寺を出た後、様々な職業を遍歴しながら小説を書く。

1959年『霧と影』を発表し、本格的に作家として活動を始める。
1961年、厳しく惨めな禅寺修行時代の体験を元に直木賞受賞作「雁の寺」を書く。
1950年7月の未明、修行僧林養賢が金閣に放火、国宝金閣舎利殿は全焼する。

21才の林養賢はなぜ放火したのか。当時の新聞には林の異常性格、金閣住職への逆恨みが動機といった記事が載る。
これを読んだ水上は京都の寺で小僧として修行した経験から、事件の真相を知るべく林養賢の生い立ち、人となりを調べ始めた。だからこの原作はとことん林養賢に関わる調査記録に徹し、全体に脈絡をつけてまとめたのがこの本で、完成まで実に事件から30年近くも過ぎている。

後に青年座が水上本人に脚本を依頼し、1982年に上演された。それから40年、宮田慶子演出で再演されたのがこの『金閣炎上』である。


六仏の化身が案内人

劇団青年座「金閣炎上」舞台写真:岡山市民劇場 2026年 7月例会

水上勉が青年座のために小説『金閣炎上』をみずから戯曲化し、上演されたのは1982年のことだった。

水上勉は養賢の郷里に足を運び、長く調査を重ね、作者をナレーターとしたノンフィクションとも読める体裁で小説『金閣炎上』を仕上げたが、「小説ではいえなかった部分を、芝居では出せるのではないか」(初演パンフレットより)とその構成を脚本では大きく変貌させている。

金閣舎利殿三層楼で焼失した六体の仏像の化身が、コロスとなって金閣放火の事件報道から物語を語り起こすのだ。

41年ぶりに宮田慶子演出で上演された今回の舞台で、最初に私が惹き込まれたのはやはり、六仏の醸す荘厳さから、素朴であけすけな村人への早替わりの急転であった。金閣炎上という宿命的な瞬間を観客が目撃するまでの案内人が彼らである。終盤の金閣放火シーンでの六仏と養賢との応酬では、養賢の内面の激しい葛藤をも表現する。こうして木地色のフードとライティングによって素早く変化身する菩薩たちは、ミニマルな舞台転換の黒子でもあり、金閣舎利殿の象徴でもあり、養賢親子を取り囲む世間そのものでもあるだろう。

金閣が炎上する場面では降りてきた柱に不規則に貼り付けられた鏡面が回転し、炎が乱反射して客席までギラギラと照らしていた。近年得がたい観劇体験であった。

(高橋幸次(帝京平成大学講師)・青年座通信より抜粋)

観劇の感想

東京公演 感想文より
  • 序盤は明るかった舞台の雰囲気が、段々と暗くなり、養賢の目元の影が特に濃くなっており、金閣を燃やすまでにどれだけ養賢が自分の中に闇を抱えていたのだろうと思うと、「彼が今回の悪役だ」だとは思い切れず、養賢に同情しました。また、この舞台を養賢目線でも見てみたいです。吃音で前半はほとんど喋らなかった養賢が、自身の環境についてどう考えていたのかが、とても知りたくなりました。
    養賢が金閣を燃やす場面での演出が好きです。上から反射板を垂らしてライトを反射させる演出が、本当に燃えている様でした。また観に行きます!ありがとうございました。(20代)
    劇団青年座「金閣炎上」舞台写真:岡山市民劇場 2026年 7月例会
  • 三島文学と違ったとらえ方を感じました。外界の要因にスッポトを当てたものをとらえました。(70代)
    劇団青年座「金閣炎上」舞台写真:岡山市民劇場 2026年 7月例会
  • 照明に魅力を感じました。とにかくすごかったです。言葉が出なくなる程、感じる所が数百カ所ありました。(10代/女性)
    劇団青年座「金閣炎上」舞台写真:岡山市民劇場 2026年 7月例会
  • 建前と現実の矛盾に引裂かれての放火ということになるのだろうか。音響が非常に効果的でありました。(70代)
    劇団青年座「金閣炎上」舞台写真:岡山市民劇場 2026年 7月例会
  • 水上勉氏の原作がドキュメンタリー的作品なので、戯曲化の依頼を受けたとき迷ったと書いておられる。仏たちを登場させ、彼らに出来事の詳細を語らせる手法は見事な解決方法になっている。その語りの中に村の閉鎖性や取り巻きの圧力など様々な状況が述べられ、深みのある舞台づくりに成功している。三島の『金閣寺』に不満を述べ、歴史的事実の重みを強調した水上氏の姿勢が結実した作品であった。(60代/男性)
    劇団青年座「金閣炎上」舞台写真:岡山市民劇場 2026年 7月例会
  • 金閣炎上という難しい題材を静かで優雅に力強く表現されていて素敵でした。また金閣が炎上する演出が美しく、心を打たれました。(20代/女性)
    劇団青年座「金閣炎上」舞台写真:岡山市民劇場 2026年 7月例会


劇団青年座

劇団青年座「金閣炎上」舞台写真:岡山市民劇場 2026年 7月例会

劇団青年座ロゴ

劇団青年座は「創作劇の上演」を趣意書に謳い、1954年5月1日森塚敏、東恵美子、成瀬昌彦、天野創治郎、土方弘、中台祥浩、初井言榮、山岡久乃、氏家慎子、関弘子ら十人の俳優によって結成いたしました。同年12月17日俳優座劇場で椎名麟三作『第三の証言』をもって第一回公演をおこない、以後、矢代静一(『写楽考』他)、八木柊一郎(『国境のある家』他)、宮本研(『からゆきさん』他)、水上勉(『ブンナよ、木からおりてこい』他)ら多くの劇作家と共に数々の創作劇を上演、今年で創立72年目を迎えることになりました。

72年目の青年座は新拠点を豊島区西池袋に置き、心機一転、さらなる飛躍を目指し活動を続けてまいります。

劇団青年座の演劇活動には4つの柱があります。
 【A】 実績のある劇作家による新作
 【B】 新進劇作家による新作
 【C】 既存戯曲の新演出による上演
 【D】 海外現代戯曲

今年度は青年座旗揚げ公演作品、椎名麟三作『第三の証言』を磯村純の新演出でスタート。海外現代戯曲は昨年亡くなった英国演劇界の至宝トム・ストッパードの『ハード・プロブレム』を小田島創志翻訳、金澤菜乃英演出で上演。新進気鋭の河合穂高の新作『異形の箱(仮)』を齊藤理恵子が演出。そして独自の劇世界を創り出し多くの人々を魅了する桟敷童子の東憲司がアントン・チェーホフの『桜の園』に想を得て上演台本・演出を担い『春、亡霊は夢を見る(仮)』をお届けいたします。

また『金閣炎上』(作=水上勉、演出=宮田慶子)、『同盟通信』(作=古川健、演出=黒岩亮)、『夫婦レコード』(作=中島淳彦、演出=黒岩亮)は全国の鑑賞団体の皆様の要望に応え旅立ちます。

さらに青年座映画放送株式会社を通し、所属俳優・スタッフの舞台・テレビ・ラジオ・映画出演のマネージメントを行い、日本の現代演劇・エンターテイメントの発展に大きく貢献しています。

2026年度も青年座は多種多彩な演劇活動を行ってまいります。
今まで同様ご支援賜りますようお願い申し上げます。

これまで例会にお迎えした作品たち

1961年 第三の証言
1973年 写楽考
1974年 三文オペラ
1975年 新四谷怪談
1976年 私はルビィ
1978年 からゆきさん
1979年 盟三五大切 {かみかけてさんごたいせつ}
1980年 近松心中考
1981年 三文オペラ
1983年 江戸のろくでなし
1985年 欲望という名の電車
1987年 パラダイス オブ ギンザ
1990年 からゆきさん
1991年 亜也子
1993年 盟三五大切 {かみかけてさんごたいせつ}
1996年 ブンナよ、木からおりてこい
1998年 MOTHER -君わらひたまふことなかれ-
2000年 無法松の一生
2006年 殺陣師段平
2013年 黄昏
2017年 ブンナよ、木からおりてこい
2019年 横濱短編ホテル
2023年 シェアの法則