中学生も、高校生も、大学生も すべての若者へ! 東京演劇アンサンブル / 消えた海賊

岡山市民劇場 第485回例会

岡山市民文化ホール

  • 7/15(木)
    7:00開演
  • 7/16(金)
    1:00開演
  • 7/17(土)
    2:00/ 6:00開演
  • 7/18(日)
    2:00開演
  • 7/19(月)
    12:30開演

西大寺市民劇場 例会

西大寺公民館大ホール

  • 7/24(土)
    6:45開演
  • 7/25(日)
    1:00開演

上演時間 = 約1時間45分 (予定)

消えた海賊

海賊と言えば、海の荒くれ者だ。



逆らう者、裏切り者は皆殺しを意味するドクロの海賊旗を頭上に掲げ、男のロマンは遠い海のかなた、宝探しの旅をする。

だが、彼らのつくった海賊は違う。

扉はいつも半開き、出入り自由。
女性も乗り組む。
この海賊船のたった一つの掟、それは「人を殺さないこと。」
その海賊が世界を制覇し、自由を保障する新しい共同体をつくるのが彼らの夢だった。
音楽劇 消えた海賊 舞台写真
堀田善衛(作家)から聞いたエピソードを基に、広渡常敏が2002年に書き下ろした音楽劇を、このたび公家義徳がリメイク。

戦争のからくりや無意味さ、恋、自由とは何かをみずみずしく描いた若者のエネルギーあふれる作品。林光による歌と音楽や、ダンスがふんだんに盛り込まれたエンターテイメントにあふれた舞台である。

小さくも強い炎の輝きを
決して消さない。

演出家 公家こうけ 義徳よしのり

演出家 公家義徳 スナップ

どんな理由があろうとも、人を殺さない。

こんな当たり前のことを、小さなころから当たり前だと教えられてきたことを、約束できない世の中に、ポンとひとつの石つぶてを投げてやりたい。どんな小さな石のつぶてだって、そこにきちんと“在る”ことが大切。
それがぼくたちの目指す芝居、ぼくたちの在り方。
理想主義が勝つか、現実主義が勝つか。憧れは、遠い世界のかなたにあるものではなく、今を、この瞬間を精いっぱいに生きることから始まるものだ。

〝ぼくが求めているのは、ただ変化が可能だということを知ることなんだ″

という台詞がある。
これはぼくが劇団で出会った最初の芝居、「かれら自身の黄金の都市」という作品からのものだが、もう20年以上も前に出会ったこの言葉は、今でも僕の心に焼き付いて離れない。
変化が可能だということを知ることが大切なんだ。
「消えた海賊」というタイトル通り、海賊は消える。だが、彼らの目指す生き方の、小さくも強い炎の輝きだけは決して消されてなるものか。どこにもありそうもない常識はずれでユーモラスな生き方を目指す若者たち、海賊たちの、かれら自身の新しい船出がやってくる。もう後戻りはできない。さあ、出発しよう。

東京演劇アンサンブルTOKYO ENGEKI ENSENBLE

「“どこの岸辺にたどり着くのかも知らずに、岸辺を後にする船乗りたちのように” 不安と憧れを抱いて未知の領域に飛び込んでいくことが “自由” だ」。

演出家 広渡常敏 ポートレート

広渡常敏(ひろわたり・つねとし)

演出家・広渡常敏(1927~2006)は劇作家ブレヒトに憧れ、1954年の創立以来一貫して、既成の自分たちにとらわれずに、未知の自分に向かうことを要求してきた。ナイーヴに、真実の感情で、自分自身を投げ出すとき初めて知る自分自身、他者との出会いを、どの瞬間にも求めている。創立以来60年以上、愚直に、人間は変化しうるということを信じて芝居を創ってきた。

多彩な海外公演や学校公演も

1990年から定期的に海外公演を行い、これまでに11カ国21都市での公演を成功させてきた。
岡山市民劇場でも例会に迎えた「桜の森の満開の下」は、ニューヨーク、ソウル、ロンドンほかで上演され、言葉の壁を超えて世界の観客の胸をとらえた。
「かもめ」をチェーホフ記念モスクワ芸術座で上演、「ガリレイの生涯」をブレヒトの本拠地ベルリーナー・アンサンブルで上演。ほかにもイタリア、韓国、ベトナムなどでの公演を経て、今後も精力的に世界の観客と出会う旅を続ける。また、1960年代より、高校生・中学生のための演劇教室を続けてきた。今回の「消えた海賊」は公家義徳による2作目の学校公演作品。

例会に迎えた作品たちPerformed by TOKYO ENGEKI ENSENBLE

1970 年代の隆盛期

  • 1968年「蛙昇天」
  • 1970年「グスコーブドリの伝記」
  • 1971年「ガリレオ・ガリレイの生涯」
  • 1972年「奇蹟の人」
  • 1973年「第三帝国の恐怖と貧困」
  • 1974年「ジョー・ヒル」
  • 1975年「真夏の夜の夢」
  • 1976年「オットーと呼ばれる日本人」
  • 1977年「走れメロス」
  • 1978年 「木かげの家の小人たち」
  • 1980年「かもめ」
  • 1986年「櫻の森の満開の下」
  • 1993年「真夏の夜の夢」
  • 2002年「奇蹟の人」

以来約19年振り

Impressions

観劇の感想

音楽劇「消えた海賊」を観劇した高校生より
素直で豊かな感想を紹介します!

愛知県立刈谷北高等学校/クラーク記念国際高校
生徒たちの感想文より
  • さまざまなことを考えさせられた劇でした
    日頃慣れてしまっていたことを再度幅広く考えることができました。若さや自由といったことは、今の自分には分かりません。特に若さというものは成長して分かることだと思います。いざ、大人になり、若さを知れた時に、自分の若さを失っていないよう、分からないなりにこれからも頑張っていこうと思いました。
  • 音楽劇 消えた海賊 舞台写真01
  • とてもシンプルにストレートに
    作品のメッセージが伝わってきました
    大海原を思わせる舞台装置の青が効いていて、それに映える衣装のセンスもすごく良かったです。若々しい力強い声とセンスの良い振付が楽しませてくれました。
  • 音楽劇 消えた海賊 舞台写真02
  • 美しい歌声と
    迫力のある踊りやアクロバットにのせて進んでいくストーリーに、とても心躍りました。また、国籍、性別、年齢の壁を越えて集まったマングース号の船員の「自由」に対する考えに感銘を受けました。今、与えられている自由の大切さを噛みしめ何事にも恐れずチャレンジしていこうと思いました。自分たちの自由や生き方を貫き通した船員の思いは、永遠に私たちの心にあり続けると思います。
  • 音楽劇 消えた海賊 舞台写真03
  • 衝撃を受けました
    内容とともに、役者さんの迫力のすごさや一つ一つの言葉に感情が入っていて作品にのめり込みました。役者さんから伝わる熱や思いが波のように流れ込んできて、肌で作品を感じることができました。一般的な常識や考え方にとらわれず、自由に過ごしている姿に新鮮味を感じました。自分も常識や固定概念にとらわれず、自由に自分らしく生きていこうと強く思いました。
  • 音楽劇 消えた海賊 舞台写真04
  • 若いからこそある好奇心
    自由だから見えるいろいろな視点、それを分かっている大人は海賊に限らずかっこいいです。そんな「若さ」「自由」を題材にしたこの劇がとても面白かったです。特に戦争に行きたくなくて、自由を求めて海賊になったという設定を気に入っています。命令をしない海賊は戦いに負けてしまいましたが、最後まで自分の意思を貫いたことはすごいと思います。
  • 音楽劇 消えた海賊 舞台写真05

上演にあたって

劇団制作・演出小森 明子

2002年初演時は、同時多発テロ、アフガニスタン侵攻など、対テロ戦争の始まった当初に書かれた。
このファミリー向けの音楽劇の主題は「反戦」であり、権力闘争と利権争いに巻き込まれることを拒否する、という意思表示であり、自由を保障する新しい共同体の夢だった。

2016年、広渡常敏が亡くなって10年。
広渡の最晩年の主演俳優として鍛えられた公家義徳は、今演出家としてこの作品を構成し直し、再演を決めた。
人間は多様であり、自由であることを手放さない生き方を求め続けようじゃないか、という提案を、歌あり踊りありの賑やかな音楽劇というスタイルで、若い世代に訴える。

堀田善衛、広渡常敏、そして林光からの若い人たちへのエールでもあるこの作品は、今になってやっと切実な問題として多くの人に響くのではないだろうか。

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岡山市民劇場
上演作品一覧2021 – 2022

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 観続ける楽しさ・喜びを!

岡山市民劇場とは

1955(昭和30)年に「岡山の地でプロの演劇を観たい」と渇望する人びとによって、演劇文化の向上を目的として創立されました。
68年もの長い間、多くの市民によって育てられてきた会員制の“演劇を観る会”であり、さらに多くの人に”観劇を広める会”です。営利団体ではありません。興行主もいません。すべて会費でまかない、会の運営はサークルが協力して行っています。
現在589のサークル、3,503人の会員 (2023/09/13現在) が岡山市民劇場に集い、運営し、観劇を楽しんでいます。
目の前で繰り広げられる、ナマの舞台とのふれあい、会員相互の温かい交わり・コミュニケーションは、新しい自分を発見するまたとないチャンスにもなるでしょう。

会員になると

  • 年間本の
     演劇が観れる
    月々に納める会費のみで、年間6本の演劇(例会)を観ることができます。観劇希望日以外の日でも公演期間中、空席があれば何回でも観劇が可能です!
  • 都合良い日を
     選べる
    1例会あたり、昼・夜あわせて4〜6回公演の日程ですので、あなたの都合の良い日を選べます。急用で都合が悪くなってしまった時も別日に空席があれば観劇日の変更が可能です!
  • 運営に
     直接参加できる
    1年に1度、サークル(グループ)単位で、希望する例会での運営に直接参加することができます。
  • 観たい演劇は
     自分たちで決める
    例会にする演劇を決める活動に参加でき、あなたの意見や要望を出すことができます。
  • 俳優や演出家と
     直接交流できる
    俳優さんや演出家を囲んでの交流会や、作品の「魅力に迫る会」などに参加できます。

会員になるには

申し込み書に入会金1500円と1カ月分の会費を添えて、知り合いの会員か、事務局に申し込めば、誰でも会員になれます。
ただし「今回の公演だけ観たい」では会員にはなれません。
いろんな演劇を観て、観劇の面白さ、楽しさを見つけ、末永く観劇を続けましょう。
知り合いに会員がいなければ、知人・友人を誘って、3人以上のサークル(グループ)をつくり、サークルの愛称と代表者を決めて下さい。
分からないことは何でも岡山市民劇場事務局へご連絡下さい。

会費

入会金
1,500円
月額会費
一般 2,500円
学生 1,800円
高校生以下 1,100円
会費は入場料金ではありません。
毎月末までに翌月の会費を、サークルでまとめて事務局に一括納入します。
月々の会費のみで、それ以外に観劇料は必要ありません。

お問い合わせ

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観劇についてのお申し込み・お問い合わせ

岡山市民劇場事務局086-224-7121
  • 平日:10:00 〜 19:00
  • 休日:日曜・月曜・祝祭日
  • 閉局:例会日及びその翌日