劇団銅鑼
おとうふコーヒー
演出:青木 豪
スタッフ・キャスト
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- 谷田川さほ
- 永谷ふみ子
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- 名取幸政青年座
- 金山泰司
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- 植木圭
- 辻誠二
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- 井上太
- 旗本良一
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- 久保田勝彦
- 石塚太郎
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- 栗木純
- 田上和代
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- 竹内奈緒子
- 戸部市子
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- 宮﨑愛美
- 真柴花恵
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- 齋藤千裕
- 永谷瑞樹
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- 早坂聡美
- 宮田希美
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- 大竹直哉
- 加後純也
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Cast
永谷ふみ子 | 谷田川さほ |
---|---|
金山泰司 | 名取幸政(青年座) |
辻 誠二 | 植木 圭 |
旗本良一 | 井上 太 |
石塚太郎 | 久保田勝彦 |
田上和代 | 栗木 純 |
戸部市子 | 竹内奈緒子 |
真柴花恵 | 宮﨑愛美 |
永谷瑞樹 | 齋藤千裕 |
宮田希美 | 早坂聡美 |
加後純也 | 大竹直哉 |
Author
Director
Staff
- 美術
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田中敏恵
- 照明
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杉本公亮
- 音楽
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後藤浩明
- 音響
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青木タクヘイ
- 衣装
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山田靖子
- ステージング
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下司尚美
- 舞台監督
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青木規雄
- 舞台協力
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松下清永
- 演出助手
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館野元彦
- 舞台監督助手
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村松眞衣
- 宣伝美術
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山口拓三GAROWA GRAPHICO
- 制作
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平野真弓
齋藤裕樹
あらすじ
特別養護老人ホーム「おさんぽ」では、入居者永谷ふみ子が最期の時を迎えようとしていた。
みんなに親しまれていたふみ子を看取りたいと、職員、ボランティア、医者、孫などが集まってきた。
折りしも大きな台風が迫り孤立無援になったホームで、ふみ子をめぐり、それぞれの人生と生き方が交錯した思い出の日々を回想しながら、少しずつ最期の時が近づいてくる。
えんげきの友より
この公演の取材のために岡山と鳥取の県境にある、奈義町というところに行きました。
そこは、福祉を大切にして町を活性化させようと取り組んでいる町で、特に子育て支援が充実しており、合計特殊出生率が全国でもトップクラスです。
そんな奈義町は、老人福祉にも力を入れています。在宅看取り率が県でいちばんです。
だからと言って、家族に押し付けるようなものではなく、行政がしっかり支援しているからこその数字なのだといいます。介護士さんたちに移住を働きかけるプロジェクトなどもやっています。
あなたが来れば作業所を作って雇用を作るからぜひ奈義町へ移住していらっしゃい、なんてことまで前提においたプロジェクトです。
ひとは一度しか死にません。それは一度は必ず死ぬということでもあります。
奈義町のようなところで生きて死ねたらそれはとても素晴らしいことだなと思いますが、奈義町以外にも、命を終うことに丁寧に手を携えてくれる場所はちゃんとあります。ホスピス、在宅看護。いくつかの特養老人ホームも哲学をしっかり持って運営されていました。
舞台となった「おさんぽ」は、完成された場所ではありません。
理想を見据えながらも、ままならない現実との板ばさみもあり、自分たちの未熟さもあり、それと戦いつつ、先を目指している、そんな施設です。これは、そんな「おさんぽ」がさらに素敵な場所に変わっていくターニングポイントとなりそうな、ある台風の夜のお話です。
※ パンフレットから抜粋し、趣旨を損なわない程度に一部割愛しています。
文責:野本恭子
観劇の感想
各地鑑賞会の感想より
- 老いはいずれ誰にでも訪れるものだと改めて感じました。また、老人ホームの話だと聞いたときは自分にはまだ全く関係ない話だと思っていましたが、ふみ子さんというおばあさんによって、「おさんぽ」の職員やふみ子さんの家族の悩みが告白され、これはただの老人の話ではなく私たち一人ひとりの話だと思いました。とても面白かったです(10代)
- 死んでいくということが、こんなにも静かで普通のこと、自然なことなのだと知りました。特に今、皆に看取られる幸せを感じました。ふみ子さんの「がんばっぺ」にコロナ渦で思うようにならない日常生活を思い、涙が出てきて頑張ろうと思えました。(50代)
- 今回初めて舞台を観たのですが、初めてがこの作品で良かったと思います。感動しました。(20代)
- ★涙が出ました。心に響く話でした。人の死に接するのは怖いものとネガティブな考えでしたが、考えが変わりそうです。(30代)
- 「看取り」「死」という暗く、重くなりがちなテーマを扱いながら、ふんわりと優しく温かい展開になっていた。「死は一生に一度しかない晴れ舞台」という言葉は印象的(50代)
- 登場人物それぞれの人生も描きながら、ふみ子さんの生き方を丁寧に表現して、とても心にしみる舞台でした。介護施設の様子、初めて身近に感じました。そして人生のしまい方。私はどんな逝き方をするのだろう。どんな生き方をすればいい?(70代)
次例会のたねより
舞台は、山間の特別養護老人ホーム。厳しい福祉政策の下でも、職員は、お年寄りに「とことんつきあう」ことをモットーに奮闘しています。
台風の夜、最期の時を迎えようとしているのは、認知症のふみ子。みとるために、職員やボランティアの青年が集まり、ある事情を抱えたふみ子の孫も東京から駆け付け―。
作者の詩森ろばさんが、いくつもの高齢者施設を取材し、劇作。
「自分らしい最期を迎えられること」を軸にしながら、一人ひとりが大切にされる社会のありようを問いかけます。
演出の青木豪さんは、作品の魅力をこう話します。
「このホームの職員は、認知症の人のペースに合わせ、彼らの言うことを否定しません。そこがステキです。集まる青年もみんな、社会や人間関係の中で、どこか自分を否定されていますが、ホームに関わることで自分を肯定され、居場所を見つけていきます。不思議なタイトルにひかれて見てみたら、帰り道、じんわり心が温かくなったという芝居にしたいですね」
引用:2018年3月4日赤旗
詩森 ろば
宮城県仙台市生まれ。
- 1993年
- 「劇団風琴工房」旗揚げ。以後すべての脚本と演出を担当。全国どこへでも飛び回る綿密な取材で、多彩な題材を他にない視点で立ち上げる。骨太な戯曲とスピーディーかつ演劇知の塊のようなパワフルな演出で、扱う題材は、歴史劇から金融、福祉車両の開発から、アイスホッケーまで、ありえない多彩さを見せる。
- 2007年
- 「紅の舞う丘」で第1回CoRich春の舞台芸術祭り2007グランプリ。
- 2008年
- 綿密な取材を基に正面から水俣病に取り組んだ「hg」が話題に。新聞を中心に様々なメディアで取り上げられた。
- 2013年
- 「国語の時間」(作:小里清 演出:詩森ろば)により、読売演劇大賞優秀作品賞。
- 2016年
- 「残花」(製作:いわてアートサポートセンター)「insider」により詩森ろばが紀伊國屋演劇賞個人賞受賞。
- 2017年
- 「アンネの日」、「海の凹凸」の成果により芸術選奨文部科学大臣賞新人賞 受賞。
- 2018年
- 「風琴工房」改め「serial number」立ち上げ。
- 「アトムが来た日」で岸田國士戯曲賞最終候補。
- 2020年
- 映画「新聞記者」により日本アカデミー賞優秀脚本賞。
劇団 銅鑼 について
- 1972年
- 鈴木瑞穂、早川昭二など劇団民藝退団者を中心に、演劇集団銅鑼を結成。鈴木瑞穂さんが代表に就任。
- 1975年
- 観客の目を通して銅鑼の作品を厳しく「たたいて」もらいたいという願いから「銅鑼をたたく会」が発足。
- 1980年
- 劇団銅鑼となる。
- 1991年
- 山田昭一さんが代表に就任。
「客席と火花を散らすような交流を生み出す舞台」「民主的な集団運営」を目指す。
「平和」と「人間愛」を求め、
「本当に人間らしく生きることは何か」をテーマに創作活動を続けている。
公演スケジュール
- 岡山市民文化ホール
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例会日 昼 夜 9/16 金 – 7時 9/17 土 2時 – 9/18 日 2時 – 9/19 月・祝 1時 – 9/20 火 12時30分 –
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西大寺市民劇場例会
西大寺公民館大ホール -
例会日 昼 夜 9/29 木 – 6時45分 9/30 金 1時 –