劇団1980
いちばん小さな町
演出:髙橋正徳
公演スケジュール
- 岡山芸術創造劇場ハレノワ 中劇場
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例会日 昼 夜 7/5 金 – 7時 7/6 土 2時 – 7/7 日 2時 – 7/8 月 1時 – 7/9 火 12時30分 –
- 西大寺市民劇場例会
西大寺公民館大ホール -
例会日 昼 夜 7/11 木 – 6時45分 7/12 金 1時 –
スタッフ・キャスト
Cast
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- 溝口敦士テアトル・エコー
- 亀山家の長男亀山和男
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- 上野裕子
- 和男の妻亀山節子
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- 渡邊真砂珠文学座
- 和男の一人娘亀山陽子
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- 三浦伸子フリー
- 和男の母亀山瀧子
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- 柴田義之
- 曙旅館番頭佃忠義
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- 片桐健人スターダ21Neu
- 曙旅館の従業員倉田
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- 光木麻美
- 曙旅館の女中珠世
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- 山本隆世
- 下請け工場長澤治夫
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- 川辺邦弘文学座
- 大島建設社長大島哲夫
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- 藤川一歩
- 社会保険労務士国本武
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- 神原弘之
- 警察署巡査部長丸田優
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- 近藤結宥花フリー
- 保育園経営者齋藤小百合
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- 金子由之劇団昴
- 商工会副会長 寿司屋店主脇田正道
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- 木之村達也
- アパート経営者坂根光男
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- 音道あいり文学座
- 日系3世 サンバチーム指導者水田ナミ
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- 大田怜治
- 日系3世工員上野パウロ清
Author
Director
Staff
美術 | 乘峯雅寛 |
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照明 | 増子顕一 |
音響 | 原島正治 |
衣装 | 小林巨和 |
舞台監督 | 泉 泰至 |
演出助手 | 飯嶋佳保 |
制作 | 柴田義之 |
あらすじ
平成18年夏・・・都心から2時間
大手電子機器と自動車メーカーの工場が頼りの北関東の小さな町。
某県小清水町の老舗旅館の当主が急逝し、稼業を継ぐべく一人息子が帰って来た。心配顔の妻といまだ反抗期の娘とともに。
旅館の跡継ぎを嫌って郷里を飛び出し、自力で大学を出たものの、東京で出版社などなどを渡り歩き、はや中年となった身で都落ち。「田舎暮らしもいいだろう」と能天気な和男を待っていたのは、旅館の再建でもおふくろ孝行でもなく、数十年振りに帰郷した郷里小清水町が直面している大問題だった!
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本作では、1990年の入管法改正によって多くのブラジル日系人を受け入れた群馬県大泉町をモデルに、国籍・人種・文化・言語・宗教を越えた「共生」の困難さ、外国人と日本人が同居する地域社会に生じる亀裂と分断、海外に渡った外国人が直面する差別と孤独に斬り込んでいきます。
分断の危機にある世界情勢の中、まさに現代日本が直面している「共生社会の実現」への課題を描き出します。
二度にわたってブラジルでの長期講演(2004年「素劇 あゝ東京行進曲」 / 2008年「ええじゃないか」)を敢行し、公演先でたくさんの日系ブラジル人のみなさんと出会い、その歴史と苦難に触れた劇団1980ならではの作品です!
観劇の感想
東京公演の感想から
- 柴田さんのサンバ姿似合ってました。芝居はフィクションですが、今日本で考えるべき問題ですね。
- いや~おもしろかったです。共生社会の縮図ですね。どちらにも共感でき、心に残りました。
- 外国人との共生、まちづくり、真剣に皆さんの話し合いに参加している気になり、ドキドキしました。
- 共生することを好む人もいれば苦手な人もいる。町という単位で意思決定するのは大変。政略に翻弄されてきた歴史の一端に触れることができて、観に来て良かったです。
- 重たいテーマを軽妙に楽しく見せてもらいました。良かったです。「津軽海峡冬景色」のデュエットになぜかジーンと来ました。
- とてもエネルギッシュ! この舞台が日伯交流・移民問題に一石を投げかけてくれるのではないでしょうか。衣裳の早替えも素晴らしかった。
- 実際これまで日系人の多い街の実情をほとんど考えたことがなかったのですが、「同じ人間」である人々が労働力として扱われた場合、どれだけ孤独に襲われるのか、少しだけ想像できたような気がします。
- 外国人との共生を社会風刺し話題にしたり、関心を持つべき事柄を肩を張らずくすりと笑う場面を含め、観劇者に提供しながら各自宿題を持ち帰った芝居でした。日本在住の外国の人達との共生は、日本の文化を順守させることではないのでしょうね。
- 対立をそのまま受け止め、より良い方向へ前進を目指すことを、とても意欲的に表現されたとても素晴らしい作品だったと思います。
このドラマは群馬県大泉町を取材して書いた芝居だ。
大泉町は人口42000人のうち外国人がおよそ7000人、うち日系を中心としたブラジル人が4000人超。国内でもっともブラジル人の人口比率の高い町です。
日本はすでにおよそ280万人の外国人が暮らす移民大国になっていますが、少子高齢化が進むこの先、外国人労働者の存在なしには社会の持続性が図れなくなるのは明らかです。
しかし、それに見合った社会になっているかというと、社会保障制度や学校教育の問題・・・共生のための課題は山積みというのが現状です。
大泉町は、将来この国の問題になっていく「外国人との共生」というテーマにもっとも直にぶつかり、その解決に汗をかいてきた町なのです。
しかしこのドラマはフィクションです。
舞台となる曙旅館は存在しないし、亀山家の家族もそこに集う人たちもすべて私の空想の産物です。
今回は先に配役を決め、全員当て書きでの執筆でしたが、愉快な人が多いので思いのほか筆が躍りました。
劇団1980の柴田義之さんは次々と資料を持って来ては芝居についてとことん話し合い、最高の創作環境を作ってくれました。
演出の高橋正徳氏は全ての取材に同行し、戯曲に貴重なインスピレーションを与えてくれた。
構想から上演まで4年――長い旅の道連れに恵まれたことを心から感謝しています。
結成以来、一貫して「日本」と「日本人」を探る演劇作品を作り続け、全国の演劇鑑賞会の公演も多数行っています。
一方で海外公演も精力的に展開されており
1995年 ヨーロッパ3大演劇祭のひとつ、ルーマニアのシビウ国際演劇祭に日本の劇団として初参加。
本作品のルーツであるブラジルでの公演も2004年、2008年の2度に渡って行うなど、現代日本を照射した作品を海外で意欲的に発表しながら芸術交流を図っています。
これまで例会にお迎えした作品たち
- 2011年素劇 あゝ東京行進曲
- 2016年ええじゃないか
- 2020年素劇 楢山節考
関連リンク
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