
劇団文化座
演出:鵜山 仁
ものがたり
戦後の沖縄復興と日本復帰に生涯をかけ闘い抜いた、瀬長亀次郎と阿波根昌鴻の不屈の魂が、いま再び蘇る―。
第二次世界大戦の終戦から10年。沖縄北部の離島・伊江島は米軍の爆撃演習地をめぐる土地闘争に揺れていた。
銃剣とブルドーザーで家も土地も奪われた農民たちは、阿波根昌鴻を中心に「陳情規定」を作り、座り込みを主とした静かなる抗議行動をしている。
反米的にならない、怒ったり悪口を言わない、話は必ず座ってする、大声を出さない、耳より上に手を上げない等を誓約した「陳情規定」に則りながらも、今は米軍爆撃演習地となってしまった自分たちの土地を耕す“柵内農耕”という行動にでるのだった。
一方、伊江島の抗議行動のやり方に危惧を感じ始めていた亀次郎は昌鴻に「伊江島だけでなく沖縄人すべての問題として考えねばならない。一切の私利私欲を捨て、島ぐるみで団結すべき時だ」と語った。
昌鴻は新たな抗議行動を模索し、亀次郎は本土復帰を掲げて那覇市長選挙にうって出るのだが……。
出演予定:佐々木愛 白幡大介 藤原章寛 津田二朗 青木和宣 大山美咲 ほか
■ かいせつ
日本の敗戦間際に慰問公演の地として沖縄と蒙古を希望していたが叶わず満州へ行くこととなった文化座。戦後11年が過ぎた1956年。沖縄が米軍からの強圧的な施政を受け続けていたことに対して怒りを募らせた創立者佐々木隆は、占領下の沖縄を描いた『ちぎられた縄』(作=火野葦平)の上演に踏み切りました。
以来文化座は沖縄に関係する芝居を11作品創ってきました。「命どぅ宝」はその集大成ともいえる作品です。
阿波根昌鴻と瀬長亀次郎。この二人をリーダーとして戦った土地返還闘争と祖国復帰運動は、今に続く戦後の沖縄の戦いの原点でもあります。沖縄の人々は何故今も座り込みを続けているのか。笑顔を絶やさないあの粘り強い精神力はどこからくるのか…。
私たちは沖縄にどのように寄り添うことができるのかを、観客の皆さんと一緒に考えてみたいと思います。
■ 劇団紹介
劇団文化座は戦時下の1942年2月、演出家佐佐木隆、女優鈴木光枝ら9名によって結成。戦時下の厳しい条件のもとにあっても演劇の良心の灯をともし続けてきた。1987年より佐々木愛が劇団代表となる。
歴史の闇に埋没しがちな人々に光を当てた作品を数多く創り出し、またその一方で絶えず新たな題材、舞台表現にも挑戦している。
公演スケジュール
- 岡山芸術創造劇場ハレノワ 中劇場
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例会日 昼 夜 5/8 水 – 6時45分 5/9 木 1時 – 5/10 金 12時30分 – 5/11 土 2時 – 5/12 日 2時 –
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西大寺市民劇場例会
西大寺公民館大ホール -
例会日 昼 夜 5/14 火 – 6時45分 5/15 木 休館日 – 5/16 金 1時 –