2025年 7月例会 滝沢家の内乱

岡山市民劇場 2025年 7月例会:滝沢家の内乱 - 加藤健一事務所

加藤健一事務所
八犬伝誕生秘話
滝沢家の内乱

笑えて泣ける、カトケン版時代劇!
江戸時代の大ベストセラー
『南総里見八犬伝』脱稿までの秘話。

作:吉永仁郎
演出:加藤健一

公演スケジュール

岡山芸術創造劇場ハレノワ 中劇場
例会日
7/23 19:00
7/24 13:00
7/25 12:30
7/26 14:00
7/27 14:00
西大寺市民劇場例会
西大寺公民館大ホール
例会日
7/17 18:45
7/18 13:00
上演時間:2時間25分(予定)

魅力に迫る会にお迎えします♪

2025年 7月例会 「滝沢家の内乱」魅力に迫る会

「滝沢家の内乱」の魅力に迫る会に加藤忍さんをお迎えします!…続きを読む

スタッフ・キャスト

Cast

  • 加藤健一
    滝沢馬琴
  • 加藤 忍
    お路 宗伯の妻
声の出演
  • 風間杜夫友情出演
    宗伯 馬琴の息子
  • 高畑淳子友情出演
    お百 馬琴の妻

吉永 仁郎

演出
加藤 健一

加藤 健一

Staff

美術 倉本政典
照明 古宮俊昭
音響 泰 大介
衣裳 中村洋一
ヘアメイク 馮 啓考
舞台監督 笹原久義
制作 遠藤葵子

あらすじ

岡山市民劇場 2025年 7月例会:滝沢家の内乱 - 加藤健一事務所 舞台写真

カトケンワールドは時代劇もすごいんです!

文政十年(1827年)、「南総里見八犬伝」執筆中の滝沢馬琴の息子・宗伯の元にお路が嫁いできた。

馬琴は執筆の傍ら滝沢家での生活の一切を取り仕切り、お路は慣れないしきたりに戸惑いながらも、夫の仕事を助け、早く家族の一員になろうと健気に努力する。しかし、すぐヒステリックに喚き立てる馬琴の妻・お百と、病弱で神経質な宗伯のお陰で、滝沢家はいつもてんやわんやの内乱状態!

まともな会話ができるのは馬琴とお路だけ。2人の距離は自然に近付き・・・。
次第に馬琴の視力が衰えて、まだ完結していない八犬伝の執筆が困難になる。絶望に打ちひしがれる馬琴にそっと手を差し伸べたのは、漢字の読み書きができないお路だった。一文字、一文字と漢字を教えながらの口述筆記で、八犬伝は再び動き始める。

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解説

本作は史実を元に『南総里見八犬伝』脱稿までを描いた、馬琴とお路の創作秘話です。
この舞台には、実に深く多様な物語がふんだんに盛り込まれています。

波瀾万丈な日常を抱えながらも粘り強く大作を書き続けようとする、滝沢馬琴の物書きとしてのロマン。気が遠くなるような共同執筆作業の果てに生まれた、血のつながりを超える二人の絆。そして、ごく普通の女の子だったお路が成熟し、一家の大黒柱ともいえる女性になるまでの成長ドラマ。
中でも、頑固一徹な義父であり師匠となった馬琴に負けず、生来の明るさとバイタリティで奮闘するお路の姿には、多くの共感を呼ぶことでしょう。

「内乱」とタイトルにはありますが、決して暗い話ではありません。物語は軽妙で随所に笑いが散りばめられており、最後には感動の波が押し寄せます。今、諦めずに頑張り続ける人々への応援歌ともなることでしょう。

厳格な義父・馬琴との想定外でめまぐるしい生活のなかでも、健気に努力するお路の姿に心打たれる人が続出!

風間杜夫と高畑淳子は滝沢家の異様さを声だけで見せつけ話題になりました。

「馬琴日記」をもとに描かれた評伝劇を、笑って泣けて、日本人の心に染みわたるカトケン版でお送りいたします。


岡山市民劇場 2025年 7月例会:滝沢家の内乱 - 加藤健一事務所 フライヤー表岡山市民劇場 2025年 7月例会:滝沢家の内乱 - 加藤健一事務所 フライヤー裏

えんげきの友より

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南浦里見八犬伝とは

滝沢馬琴(曲亭馬琴)の代表作。文化11年(1814年)~天保12年(1841年)の28年間にわたって執筆された、全98巻106冊にも及ぶ日本古典文学史上最長の小説。

◎ あらすじ ◎

室町時代の中頃、安房国あわのくに(千葉県南端)。領主である里見義実よしざねの娘・伏姫ふせひめは、かつて義実によって処刑された悪女・玉梓たまずさの呪いにより、八つの牡丹のような痣のある犬・八房やつふさと夫婦になり、山の中で毎日読経して暮らしていた。

ある日、伏姫は仙童に「八房の子が出来ている」と告げられ、身に覚えがないのに犬の子を孕んだ事を恥じて刀で自害する。しかし、形のある子ではなく”気”だけの子が宿っていたのであった。その時、伏姫が持っていた数珠の「仁・義・礼・智・忠・倍・孝・悌」の文字が浮き出た八つの大玉が、傷口から立ち昇る”気”と共に空高く飛び上がり、八方に飛び去って行った。

伏姫の婚約者・金碗かなまり大輔は出家して、`大ちゅだい法師 となり、飛び去った八つの玉を探す旅に出る。

やがて関八州(関東)各地に、「犬」で始まる名前を持ち、体に牡丹のような痣があり、文字の浮き出る玉を持った若者が生まれた。

歌川国芳「本朝水滸傳豪傑八百人一個・里見八犬子の内犬塚信乃戍孝」

出典:Wikimedia Commons「Inuzuka Shino」|Public Domain

犬江親兵衛仁いぬえしんべえまさし犬川荘助義任いぬかわそうすけよしとう犬村大角礼儀いぬむらだいかくまさのり犬坂毛野胤智いぬさかけのたねとも犬山道節忠与いぬやまどうせつただとも犬飼現八信道いぬかいげんぱちのぶみち犬塚信乃戌孝いぬづかしのもりたか犬田小文吾悌順いぬたこぶんごやすより、これが八犬士である。別々の場所に生まれながら運命に導かれるように集まった八犬士は、やがて里見家に仕えるようになった。里見家は関東管領・扇谷定正等の諸将連合軍に攻められ、水陸両面で戦うが、八犬士の活躍により圧勝。八犬士はそれぞれ城主となった。

◎「南総里見八犬伝」の人気 ◎

江戸時代に大ベストセラーとなった「南総里見八犬伝」の人気は、現代においても全く衰える事なく、数々の現代語訳の出版に止まらず、様々なメディア展開により、更にその人気は拡大し続けている。

映画化されたもので最も有名なのは、1983年に公開された角川映画「里見八犬伝」である。この作品には、薬師丸ひろ子、真田広之、千葉真一、夏木マリなど豪華なキャストが名を連ねた。TVドラマ化も多く、TBS開局50周年記念ドラマとして2006年新春に滝沢秀明主演で放送された「里見八犬伝」は話題となった。歌舞伎や近代演劇も数多く、最近では2019年に佐野勇斗主演の「里見八犬伝」が上演された。また、八犬伝をモチーフにした二次創作的な小説アニメゲーム等も多数作成されており、古典でありながら若い世代にもどんどん浸透している稀有な作品と言える。

滝沢家の内乱 / パンフレットより



観劇の感想

期待を上回るカトケンワールド!!

鳴門市民劇場などの感想より
  • 南総里見八犬伝と言えばNHK人形劇「新八犬伝」でなじみが深く、期待感をもって観劇した。滝沢家の内乱のゆえんたる宗伯とお百の鬼気迫る声を演じた風間杜夫さんと高畑淳子さんも、姿は見えないが素晴らしかった。
    岡山市民劇場 2025年 7月例会:滝沢家の内乱 - 加藤健一事務所 舞台写真
  • カトケンさんの姿を借りて200年の時を超え現代にやってきた滝沢馬琴。晩年は目が見えなくなり、嫁お路の口述筆記で仕上げたというのも驚きだ。現代人はパソコンに頼るあまり漢字が書けなくなっている。口頭で漢字を教える馬琴とそれに応え筆記するお路。その苦労と努力は並大抵のものでない。カトケンさんの演技力もさることながらお路の成長を見事に演じた加藤忍さんにも拍手を送りたい。岡山市民劇場 2025年 7月例会:滝沢家の内乱 - 加藤健一事務所 舞台写真
  • 屋根の上の芝居は、屋根の下とは馬琴もお路も違った面が出ていて楽しかったです。「家」や「家族」をとても大切にしている馬琴だけど、そこから離れ一人になりたい気持ちも強くて、屋根の上だけが自分の空間に。そこに上がって来たお路も、屋根の下から離れたかったんだろうな。岡山市民劇場 2025年 7月例会:滝沢家の内乱 - 加藤健一事務所 舞台写真
  • 南総里見八犬伝を仕上げるために、馬琴にとってなくてはならない存在のお路。馬琴とお百、宗伯とお路の夫婦関係は心通う関係とは言えなかったかもしれないが、明るく健気なお路が馬琴の心を支え、お路にとっても馬琴が心の支えとなり生きがいとなった。馬琴もお路も満足のいく人生だったと感じていたようで、救われた。岡山市民劇場 2025年 7月例会:滝沢家の内乱 - 加藤健一事務所 舞台写真
  • カトケン事務所には珍しい和物だったが、目の前で展開していく馬琴とお路の20年余りを見ていると、最後には「buddyバディ」という言葉が浮かんできた。最初は厳格な義父と何ひとつできない小娘同様の嫁の関係~教養、才覚、人間性~天と地の開きがあった2人の関係がどんどん近くなり、最後にはついに逆転。私にはそう見えた。大ファンのカトケンワールド。今回も期待の何倍も良かった。
    岡山市民劇場 2025年 7月例会:滝沢家の内乱 - 加藤健一事務所 舞台写真

加藤健一事務所

岡山市民劇場 2025年 7月例会:滝沢家の内乱 - 加藤健一事務所 舞台写真

1980年、役者・加藤健一が一人芝居『審判』を上演するために立ち上げた。加藤健一事務所の劇団員は加藤健一のみ。
上演プログラムからキャスティング、演出、照明、音響、美術、衣裳など全てに渡って加藤本人がプロデュースするという体制をとっている。
加藤が本当に芝居の好きな役者たちを集めて舞台づくりをする場であり、既成の劇団とは異なる個性的な活動を主とし、演劇界では常に注目を集める存在である。毎年、東京公演に加え、地方公演も活発に行っており、各地で好評を得ている。

これまで例会にお迎えした作品たち

  • 1992年「第二章」1992年第二章
  • 1993年「三人姉妹」1993年三人姉妹
  • 1996年「レンド・ミー・ア・テナー」1996年レンド・ミー・ア・テナー
  • 1999年「ザ・フォーリナー」1999年ザ・フォーリナー
  • 2001年「セイムタイム・ネクストイヤー」2001年セイムタイム・ネクストイヤー
  • 2007年「コミック・ポテンシャル」2007年コミック・ポテンシャル
  • 2010年「木の皿」2010年木の皿
  • 2012年「川を越えて、森を抜けて」2012年川を越えて、森を抜けて
  • 2016年「Be My Baby」2016年Be My Baby
  • 2018年「煙が目にしみる」2018年煙が目にしみる
  • 2023年「サンシャイン・ボーイズ」2023年サンシャイン・ボーイズ

岡山市民劇場賞受賞

  •  1993年度 第12回 新鋭賞「三人姉妹」演出家として
  •  1999年度 第18回 男優賞「フォーリナー」
  •  2010年度 第29回 作品賞・男優賞「木の皿」
  •  2012年度 第31回 特別賞「煙が目にしみる」