劇団民藝+こまつ座
ある八重子物語
作:井上ひさし
演出:丹野郁弓
演出:丹野郁弓
公演スケジュール
- 岡山芸術創造劇場ハレノワ 中劇場
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例会日 昼 夜 11/7 火 – 6時45分 11/8 水 1時 – 11/9 木 1時 – 11/10 金 12時30分 – 11/11 土 2時 –
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西大寺市民劇場例会
西大寺公民館大ホール -
例会日 昼 夜 11/27 月 – 6時45分 11/28 火 1時 –
上演時間:2時間50分(予定)
スタッフ・キャスト
Cast
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- 篠田三郎青山事務所
- 古橋健一郎
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- 横島 亘
- 倉田大吉
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- 藤巻るも
- 佐久間たつ子
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- 中地美佐子
- 田中お清
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- 千葉茂則
- 高瀬力太郎
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- 塩田泰久
- 竹内一夫
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- 吉岡扶敏
- 池田徳蔵
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- みやざこ夏穂
- 二代目 小森新三
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- 吉田正朗
- 笹原巡査
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- 別府康子
- お浜
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- 印南 唯
- 神谷光子
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- 吉田陽子
- 月乃(高瀬さわ子)
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- 桜井明美
- ゆきゑ(竹内京子)
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- 有森直美客演
- 花代(小山花)
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- 加塩まり亜
- 節子
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- 佐々木郁美
- 順子
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- 清水川千紘
- 正子
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- 平野 尚
- 着付けのおじさん
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- 横山陽介
- 着付けのおじさん
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- 愼 将吾
- 着付けのおじさん
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- 小守航平
- 着付けのおじさん
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Staff
装置 | 勝野英雄 |
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照明 | 前田照夫 |
衣装 | 宮本宣子 |
音楽 | 八幡 茂 |
効果 | 岩田直行 |
所作指導 | 西川瑞扇 |
舞台監督 | 深川絵美 |
制作 | 白川浩司 |
あらすじ
神田川が隅田川へと流れ込み、花街として栄えた柳町。昭16(1941)年〜敗戦直後の昭21(1946)年にかけての東京下町、柳橋・古橋医院を舞台にした三幕構成。
ここに集う人々は、水谷八重子に心酔する古橋院長をはじめ、女中まで全員が大の 新派マニア。
患者の身の上話もたちまち「婦系図」風の筋書きに。
そこへ八重子そっくりの「音楽のような声」を持つ芸者花代が登場し、恋愛事件もわきおこっての大騒動。
「ある八重子物語」と断り書きしているように、水谷八重子本人は登場しないが「女優」としての苦悩や魅力に周りから光を当てる手法に、井上ひさし「らしさ」が抜きん出ている。
さらに、「滝の白糸」の水芸や、「日本橋」「十三夜」などの名せりふも用意されていて、柳橋の場面設定も 月・雪・春 と巧み。民藝陣のアンサンブルもよい。
水谷八重子の芸と生きざまに魅せられた人びとをユーモラスな筆致で描く傑作戯曲です。
■ 劇団より
日本を代表する劇作家・井上ひさし作の本作は、新劇女優として出発した 初代・水谷八重子へのオマージュに満ち溢れていますが、何より「世の中が今より少しでもましになりますように」という、そのころの新劇の考え方が、舞台の底流を支えています。コロナ禍でささくれだった心を、癒し、慰め、そして元気にしてくれる上質な喜劇を中国ブロックの皆さんにお届けしたいと考えています。
えんげきの友より
八重子さんの戦さ
井上ひさし
人間はだれもがそれぞれ人生の戦士です。
だれもが自分に授けられたかけがえのないたった一度の人生を少しでも意味のあるものにしようとして、なにかと懸命に戦っています。
水谷八重子さんの場合、その戦さ相手は「歌舞伎に始まり、新派で完成された女形の芸」でした。
この『ある八重子物語』は右の見方にもとづいて書かれています。
この作品は、彼女が最も辛い戦さをしていた時期を、彼女のファンの一人の目から見るという体裁になっております。わたしもファンの一人として、「八重子さん、あなたは苦しい戦いをよく戦われた。ご苦労さまでした。」と申し上げたかった。
(91年初演パンフレットより抜粋)
劇団民藝 制作部
白川浩司さんへQ&A
井上ひさしの作品をどうして選んだのですか?
白川井上ひさしさんは、人気実力とも当代きっての現代日本を代表する劇作家。劇団創立70周年の公演として企画したもので、新しい劇団の姿を見せたかった。作品を選ぶにあたり何を大切にして選ばれたのでしょうか?
白川こまつ座がレギュラーで上演するような作品だと迷惑をかけてしまうので、めったに再演をしないような作品、かつ、あたたかくたのしい作品を選びました新劇の民藝が新派の作品をなぜされるのでしょう? 具体的に教えてください。
白川「世の中が、いまよりも少しでもましになりますように」という新劇の考え方に影響を受け、それまで日本になかった〈女優〉という新しい職業の確立を目指した水谷八重子の生き方に並々ならぬ強さを感じたからです。伝統的な新派のお芝居を観客に心から楽しんでもらえる作品になるには何が必要だと思われますか?
白川女形の所作は一朝一夕では会得できません。伝統的な新派の豊かな技術を必死に劇団員が習得することが必要だと思います。それはできたと感じられますか?
白川最終的には、舞台を観た観客の笑い声、拍手、反応で決まりますので、どうかみんなで盛り上げてください!
(インタビュー 岡山市民劇場 K.N)
観劇の感想
富山演劇鑑賞会感想より
- 明るくユーモアにあふれる中に、人情味あふれ、時代に翻弄されながら、たくましく生きる人々の姿がとても心に残りました。重いニュースが多いこの頃ですが、皆さんのパワーと脚本のすばらしさに元気をもらいました。
- 各人の掛け合いがさすがプロの演劇人!!スゴイと感嘆しました。劇中の着替えも見られたり、見どころ満載でした。さすがプロ集団です。
- 戦前・戦中・敗戦直後を描いたお芝居を鑑賞して、今の時代の豊かさと幸せを感じました。三代目院長役・古橋健一郎の篠田三郎さんを目の前で見ることができ、感激しました。テレビや映画でしか拝見したことがなかっただけに嬉しく思いました。
名古屋演劇鑑賞会感想より
- さすが井上ひさしの脚本ですね。観ている人をあきさせないセリフのおもしろさとテンポの良さに〝あっぱれ〟のハンコを押したい。
- 民藝とこまつ座と合同の舞台、期待どおりの楽しくもあり、歴史を思わせる内容でした。演者のみなさまの奥深い演技と話術はすばらしいものでした。テンポの強弱もあって3時間があっという間に過ぎました。
- 何度も泣けました。笑いの場面もたっぷり。古橋医院に集う人々が、やさしくて、面白くて、そこに入り込みたくなりました。戦争の影がそこかしこに現れていましたね。
- 時代や新派の知識がなくても戦争時の庶民の暮らしぶりもよく分かり、とても明るい新派好きの人々の喜劇で、声を出して笑って楽しめました。
関連リンク
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