秋田雨雀・土方与志記念
青年劇場
星をかすめる風
脚本・演出:シライケイタ
公演スケジュール
- 岡山芸術創造劇場ハレノワ 中劇場
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例会日 昼 夜 10/17 金 – 19:00 10/18 土 14:00 – 10/19 日 14:00 – 10/20 月 13:00 – 10/21 火 12:30 –
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西大寺市民劇場例会
西大寺公民館大ホール -
例会日 昼 夜 10/24 金 – 18:45 10/25 土 13:00 –
魅力に迫る会にお迎えします♪
キャスト・スタッフ
Cast
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- 岡山豊明
- 渡辺優一
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- 北 直樹
- 杉山道造
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- 矢野貴大
- 尹 東柱
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- 傍島ひとみ
- 岩波みどり
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- 島本真治
- 崔 致寿
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- 葛西和雄
- 所長
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- 板倉 哲
- 森岡院長
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- 広戸 聡
- 看守長
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- 大木 章
- 囚人
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- 中川為久朗
- 囚人
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- 高山康宏
- 囚人・看守
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- 塚原正一
- 囚人・看守
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- 安田遼平
- 囚人
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- 佐藤良唯
- 囚人
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- 藤代 梓
- 看護婦 大山
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- 小切伊知子
- 看護婦 上原
Staff
| 美術 | 乘峯雅寛 |
|---|---|
| 照明 | 阿部康子 |
| 音楽 | 加藤史崇 |
| 音響 | 佐久間修一 |
| 衣装 | 宮岡増枝 |
| 映像 | 浦島 啓 |
| 舞台監督 | 松橋秀幸 |
あらすじ

終戦間際の福岡刑務所。看守の杉山が何者かに殺され、若い看守、渡辺は杉山を殺した犯人捜しを命じられる。聴取を進めていた渡辺は、「平沼東柱」こと「尹東柱(ユン・ドンジュ)」という若い詩人が関係していると確信する。
はたして、この人物は何者なのか?
杉山を殺したのは一体誰なのか?
事実を明らかにした渡辺の前に、意外な真実が待っていた…。
劇団より
韓国の国民的詩人として国を越え愛されるユン・ドンジュは、大学在学中に治安維持法違反で福岡刑務所に収監され、27歳で獄死しました。その史実を交え描いた韓国の作家イ・ジョンミョン氏の同名小説「星をかすめる風」をシライケイタ氏を迎え舞台化したものです。
2時間サスペンスドラマのようなテンポ、刑務所の中で囚人と看守が芸術の力で一つになる、というファンタジーな世界観には、2020年コロナ禍で芸術の必要性が危ぶまれた中、美しいもので舞台をいっぱいにしたい、という演出シライケイタ氏の願いが込められております。近年の劇団レパートリーの中でも代表作と呼べるものに仕上がっておりますので、ご期待ください。


えんげきの友より
尹 東柱(ユン・ドンジュ[1]、朝: 윤동주、英: Yun Dong-ju、1917年12月30日[2] – 1945年2月16日[3])は、中華民国時代の満州出身の朝鮮人の詩人である。
1936年頃より童詩を雑誌に発表。1938年にソウルの延禧専門学校(現在の延世大学)に入学。
1942年4月に日本の立教大学英文科選科に留学し、7月に同志社大学英文科選科に転学。1943年に従兄弟の宋夢圭とともに、帰国直前に朝鮮語で詩や日記を書いていたことが独立運動につながるとして、京都下鴨警察署に「治安維持法違反」容疑で逮捕され、2年の刑を宣告された。
1945年2月16日、服役中の福岡刑務所で孤独のうちに疑惑の獄死。27歳の若さだった。1948年に、初の詩集『空と風と星と詩』(正音社)が刊行される。
代表作『故郷の家――満州でうたう』(1936年)を通して心の故郷(南の空のそこ—朝鮮半島を意味)への愛を表現した。
生きていたら、尹はどんな詩作を続けたのだろう…。80年経っても、その輝きが失われることがない尹東柱の詩。没後80年を迎えた2025年2月、尹東柱が通った立教大学や同志社大学では尹を偲ぶ集まりが開催された。
▼同志社大学尹東柱没後80年、詩碑建立30周年 尹東柱追悼式(2月16日、13時30分~)
▼立教大学公開講演会「詩人尹東柱とともに・2025」(2月23日、14時~)


原作はイ・ジョンミョンの同名長編小説。「空と風と星の詩人」と呼ばれ、日本でも多くのファンを魅了する韓国の国民的詩人・尹東柱(ユン・ドンジュ)の最後の日々をモチーフにしている。
詳細には分かっていない日本での獄中生活が「こうであってほしい」と願いを込め、想像力豊かに描いた。
長年、韓国(朝鮮)に関わる舞台を上演し続けている青年劇場が舞台化。脚本・演出は、‘24年10月例会「獅子の見た夢」の脚本も書いたシライケイタ氏。
韓国(朝鮮)に関わる青年劇場の舞台作品
| 「クイズ婆さんの敵」 | 初演1979年 |
| 「お茶と刀」 | 初演1986年 |
| 「椰子の実の歌が聞こえる」 | 初演1991年 |
| 「鮮やかな朝」 | 初演1996年 |
| 「カムサハムニダ」 | 初演2001年 |
| 「銃口 ― 教師・北森竜太の青春」 | 初演2002年 |
| 「族譜」 | 初演2006年 (岡山でも上演) |
| 「呉将軍の足の爪」 | 初演2008年 |
| 「骸骨の舞跳」 | 初演2015年 |

年間ベストワン!見逃せない!
「その年に迎えた例会の中で、『星をかすめる風』がベストワンだった」と、ある他団体の事務局長が言ったと聞き、小躍りしたくなった。なぜなら、コロナ禍に配信で観たこの舞台が忘れられなかったからだ。
敗戦間際の刑務所で起きた殺人事件をきっかけに、サスペンス仕立てで物語は進む。その閉鎖的空間で展開されるいろいろな出来事や複雑な人間模様…次はどうなるのかワクワクしながら観た。掛け値なしに面白い。失礼ながら「青年劇場が、エンターテインメント溢れる舞台をつくった!」そんな印象を持った。
そしてこんな舞台に仕立てたシライケイタの凄腕に感嘆した。中でも収穫だったのは、ユン・ドンジュという若き詩人の詩に出会えたことだ。重く厳しい場面も、彼の静かで叙情的な詩によって中和された。市民劇場の会員だからこその、観逃せない舞台にいよいよ会える!
観劇の感想
例会各地の感想

- 何にも替えられない心に残る物語。空にきらめく星々のような青年劇場とユン・ドンジュの詩の数々に心をときめかせることができました。
- ポスターを見て、ストーリーに興味を持ち、チラシにもあった主人公のセリフに惹きつけられ、是非観たいと思って、入会しました。主人公の詩、日本語でも美しく、最後の方に朝鮮語で朗々と語られ、それが特に素晴らしく、美しく耳に残りました。「青年劇場」という劇団は初めてでしたが、素晴らしい演出、演技に感動です。

- 侵略や戦争を推し進めるということは、相手国の人々の基本的人権を無視しているだけでなく、自分の国と自国民の人権も無視していることだと、この芝居は訴えているのだろうと思った。自由な表現を発展させるため、鑑賞会の運動が如何に大切か、考えさせられた。
- 人の命の尊さ、この世に生を受け、両親の愛情いっぱいに育った有難さは、言葉では言い尽くせません。今のロシア、ウクライナ、パレスチナ、イスラエルの何万人の命はどうなるのでしょうか?命の尊さに変わりはありません。世の人々にもっと深い考えを持ってもらいたい。広い九州の中のたった一人の願いです。祈りです。

- この作品を演じてくれる劇団があることに感謝です。私は福岡から来たので、ユン・ドンジュと人体実験のことは知っていましたが、余りにもひどい事実に屈して蓋をしていましたが、フィクションの中の真実に励まされました。詩の中のユン・ドンジュに会いに行き「星をかすめる風」を書いたイ・ジョンミョンの想いの深さにも応えたい。スタンディングオベーション!
- 舞台は監獄という暗い世界、また戦争の真っただ中の死と隣り合わせの理不尽な世界ではあるけれども、「希望」が感じられる舞台でした。原作者である韓国の作家イ・ジョンミョンが、日本人のことを看守の杉山や渡辺のように描いてくれたことも、また希望であると思う。芸術の力や誠実さは、人が希望をもつための手助けをしてくれる。生きるためには希望が必要だ。

- 福岡刑務所での芸術を愛する詩人と囚人たちとその看守との心の交流を描いたストーリー。ユン・ドンジュは星に何かを託して今を生きる。一つ一つ季節の星を数えながら…。「星をかぞえる夜」を朝鮮語で朗読するシーンは涙が止まりませんでした。
- とにかく泣けました。今のこの時勢にあった演劇でした。過去の日本、そして今戦争をしている国々、みな同じです。看守の渡辺さんの言葉で「あったことをなかったことにしない」なんと潔い言葉でしょう。今の政治家に聞かせてあげたい。
秋田雨雀・土方与志記念 青年劇場

今年で劇団創立60周年。1964年、日本新劇界のパイオニア秋田雨雀と土方与志が戦後に育んだ俳優、演出家8人を中心に結成。近年は東京での定例公演、全国の学校公演を柱とし、鑑賞会公演や実行委員会公演、各地域での演劇ワークショップ、社会包摂活動なども積極的に取り組んでいます。
これまで例会にお迎えした作品たち
| 1974年 | 海を見ていたジョニー |
|---|---|
| 1979年 | 夜の笑い |
| 1980年 | クイズ婆さんの敵 |
| 1987年 | 夜の笑い |
| 1994年 | 翼をください |
| 1995年 | 遺産らぷそでぃ |
| 1999年 | キッスだけでいいわ |
| 2001年 | 愛が聞こえます |
| 2004年 | 喜劇キュリー夫人 |
| 2009年 | 菜の花らぷそでぃ |
2016年島
2025年 星をかすめる風





