2025年 10月例会 星をかすめる風

岡山市民劇場 2025年 10月例会:星をかすめる風 - 青年劇場

秋田雨雀・土方与志記念
青年劇場

星をかすめる風

原作:イ・ジョンミョン
脚本・演出:シライケイタ

公演スケジュール

岡山芸術創造劇場ハレノワ 中劇場
例会日
10/17 19:00
10/18 14:00
10/19 14:00
10/20 13:00
10/21 12:30
西大寺市民劇場例会
西大寺公民館大ホール
例会日
10/24 18:45
10/25 13:00
上演時間:2時間20分(予定)

キャスト・スタッフ

  • 岡山豊明
    渡辺優一
  • 北 直樹
    杉山道造
  • 矢野貴大
    尹 東柱
  • 傍島ひとみ
    岩波みどり
  • 島本真治
    崔 致寿
  • 葛西和雄
    所長
  • 板倉 哲
    森岡院長
  • 広戸 聡
    看守長
  • 大木 章
    囚人
  • 中川為久朗
    囚人
  • 高山康宏
    囚人・看守
  • 塚原正一
    囚人・看守
  • 安田遼平
    囚人
  • 佐藤良唯
    囚人
  • 藤代 梓
    看護婦 大山
  • 小切伊知子
    看護婦 上原

原作
イ・ジョンミョン
脚本演出
シライケイタ

Staff

美術 乘峯雅寛
照明 阿部康子
音楽 加藤史崇
音響 佐久間修一
衣装 宮岡増枝
映像 宮岡増枝
舞台監督 松橋秀幸

あらすじ

終戦間際の刑務所で起こった殺人…
誰が!?何が!?
岡山市民劇場 2025年 10月例会:星をかすめる風 - 青年劇場 舞台写真

終戦間際の福岡刑務所。看守の杉山が何者かに殺され、若い看守、渡辺は杉山を殺した犯人捜しを命じられる。聴取を進めていた渡辺は、「平沼東柱」こと「尹東柱(ユン・ドンジュ)」という若い詩人が関係していると確信する。

はたして、この人物は何者なのか? 

杉山を殺したのは一体誰なのか? 

事実を明らかにした渡辺の前に、意外な真実が待っていた…。


解説

この作品はコロナ禍2020年9月に初演を迎え、2023年9月に再演、その後鑑賞会公演がスタートしています。
韓国の国民的詩人として国を越え愛されるユン・ドンジュは、大学在学中に治安維持法違反で福岡刑務所に収監され、27歳で獄死しました。その史実を交え描いた韓国の作家イ・ジョンミョン氏の同名小説「星をかすめる風」をシライケイタ氏を迎え舞台化したものです。
2時間サスペンスドラマのようなテンポ、刑務所の中で囚人と看守が芸術の力で一つになる、というファンタジーな世界観には、2020年コロナ禍で芸術の必要性が危ぶまれた中、美しいもので舞台をいっぱいにしたい、という演出シライケイタ氏の願いが込められております。近年の劇団レパートリーの中でも代表作と呼べるものに仕上がっておりますので、ご期待ください。

岡山市民劇場 2025年 10月例会:星をかすめる風 - 青年劇場 舞台写真

劇団プロフィール

今年で劇団創立60周年。1964年、日本新劇界のパイオニア秋田雨雀と土方与志が戦後に育んだ俳優、演出家8人を中心に結成。近年は東京での定例公演、全国の学校公演を柱とし、鑑賞会公演や実行委員会公演、各地域での演劇ワークショップ、社会包摂活動なども積極的に取り組んでいます。


観劇の感想

例会各地の感想
  • 何にも替えられない心に残る物語。空にきらめく星々のような青年劇場とユン・ドンジュの詩の数々に心をときめかせることができました。
  • ポスターを見て、ストーリーに興味を持ち、チラシにもあった主人公のセリフに惹きつけられ、是非観たいと思って、入会しました。主人公の詩、日本語でも美しく、最後の方に朝鮮語で朗々と語られ、それが特に素晴らしく、美しく耳に残りました。「青年劇場」という劇団は初めてでしたが、素晴らしい演出、演技に感動です。

岡山市民劇場 2025年 10月例会:星をかすめる風 - 青年劇場 舞台写真

  • 侵略や戦争を推し進めるということは、相手国の人々の基本的人権を無視しているだけでなく、自分の国と自国民の人権も無視していることだと、この芝居は訴えているのだろうと思った。自由な表現を発展させるため、鑑賞会の運動が如何に大切か、考えさせられた。
  • 人の命の尊さ、この世に生を受け、両親の愛情いっぱいに育った有難さは、言葉では言い尽くせません。今のロシア、ウクライナ、パレスチナ、イスラエルの何万人の命はどうなるのでしょうか?命の尊さに変わりはありません。世の人々にもっと深い考えを持ってもらいたい。広い九州の中のたった一人の願いです。祈りです。

岡山市民劇場 2025年 10月例会:星をかすめる風 - 青年劇場 舞台写真

  • この作品を演じてくれる劇団があることに感謝です。私は福岡から来たので、ユン・ドンジュと人体実験のことは知っていましたが、余りにもひどい事実に屈して蓋をしていましたが、フィクションの中の真実に励まされました。詩の中のユン・ドンジュに会いに行き「星をかすめる風」を書いたイ・ジョンミョンの想いの深さにも応えたい。スタンディングオベーション!
  • 舞台は監獄という暗い世界、また戦争の真っただ中の死と隣り合わせの理不尽な世界ではあるけれども、「希望」が感じられる舞台でした。原作者である韓国の作家イ・ジョンミョンが、日本人のことを看守の杉山や渡辺のように描いてくれたことも、また希望であると思う。芸術の力や誠実さは、人が希望をもつための手助けをしてくれる。生きるためには希望が必要だ。

岡山市民劇場 2025年 10月例会:星をかすめる風 - 青年劇場 舞台写真

  • 福岡刑務所での芸術を愛する詩人と囚人たちとその看守との心の交流を描いたストーリー。ユン・ドンジュは星に何かを託して今を生きる。一つ一つ季節の星を数えながら…。「星をかぞえる夜」を朝鮮語で朗読するシーンは涙が止まりませんでした。
  • とにかく泣けました。今のこの時勢にあった演劇でした。過去の日本、そして今戦争をしている国々、みな同じです。看守の渡辺さんの言葉で「あったことをなかったことにしない」なんと潔い言葉でしょう。今の政治家に聞かせてあげたい。